いちごには、健康に効果のある優れた栄養素がたくさん含まれています。
では、いちごを食べると具体的にどんな健康効果が得られるのでしょうか。
この記事では、美味しいいちごの選び方や、いちごの栄養を逃さない食べ方なども紹介しているので、ぜひ最後まで見ていってくださいね。
いちごの栄養価
いちごに含まれる栄養素と、いちごを食べるとどんな健康・美容効果が期待できるのかをまとめました。
とくに女性にとって嬉しい効果がたくさんあるので、ぜひ確認してくださいね。
いちごにはどんな栄養が含まれているの?
いちごといえば「ビタミンC」が豊富に含まれていることで有名です。
いちごのビタミンCは、100gあたり62mg含まれています。
これは、ビタミンCを多く含むイメージのあるみかんの2倍に相当する量です。
いちごはビタミンCの宝庫。 甘酸っぱいいちごにはビタミンCが100g中62mgも含まれています。 意外ですが、うんしゅうみかんよりも多いのです。
引用:栃木県公式ホームページ
また、いちごには「葉酸」も多く含まれています。
葉酸は、とくに女性にとって必要な栄養素と言われています。
なぜなら、葉酸が不足すると貧血を起こしやすくなるからです。
また、葉酸は妊娠中に不足すると、神経系の障害を持つ子供が生まれるリスクが高まるといわれるくらい重要な栄養素です。
妊娠を希望する女性は、胎児の神経管閉鎖障害発症リスク低減のために十分な葉酸摂取(400μg/日)が必要となります。
引用:厚生労働省
いちごには、葉酸が100gあたり90μg(マイクログラム)含まれています。
これは、同じフルーツの中でも葉酸が多いと言われているバナナの3倍以上にあたります。
同じフルーツと比べても、いちごの栄養価の高さがよく分かりますね。
健康や美容にどんな効果があるの?
いちごには「ペクチン」と呼ばれる食物繊維が含まれています。
ペクチンは水に溶けやすいので、ゲル状になって排便を促してくれる効果をもちます。
お通じにお悩みがある方にはぴったりですね。
さらに、腸内環境を整えると肌トラブルが減少することが分かっています。
健康・美容をキープするためには、常に腸をきれいに保っておくことがとても重要です。
また、いちごには「エラグ酸」と呼ばれる栄養素も含まれています。
あまり聞き慣れない栄養素ですね。
しかし、エラグ酸は肌のコラーゲンの現象を穏やかにし、シワ予防に効果があるといわれています。
いちごは腸の調子を整えてくれる健康効果だけでなく、美容にもとても効果があることがわかります。
品種・系統にかかわらずイチゴの抗酸化活性において,エラグ酸は主要な役割を果たしていると考えられた。
引用:大分農業技術センター・九州沖縄農業研究センター
冷凍いちごでも栄養価は変わらない?
結論から言うと、冷凍いちごの方が栄養価が高くなることもあります。
なぜなら、新鮮なうちに冷凍したほうが、採れたての状態で栄養素を保存できるからです。
新鮮ないちごであれば、冷凍いちごと栄養価は変わらないといえるでしょう。
しかし、収穫されて市場に出るまで時間が経つにつれて、少しずつ栄養素は失われていきます。
したがって、市場に出回った生のいちごと比べれば、売られてる冷凍いちごのほうが栄養素が高い可能性があるというわけです。
とくにビタミンCの量においては、生のものよりも冷凍したいちごの方が多いことが分かっています。
いちごは日持ちしない果物ですので、食べきれないと判断したら早めに冷凍したほうが、栄養素を失わずにすみます。
いちごの成分表
いちごにはどんな成分が含まれているのでしょうか?
以下の表に、100gあたりに含まれるいちごの成分をまとめました(七訂日本食品標準成分表より)。
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 飽和脂肪酸 | 不飽和脂肪酸 | コレステロール | 食物繊維 |
34kcal | 90g | 0.9g | 0.1g | 8.5g | 0.5g | 0.01g | 0.06g | 0g | 1.4g |
カロテン | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ナイアシン | ビタミンB6 | 葉酸 | パントテン酸 | ビタミンC |
18μg(マイクログラム) | 0.4mg | 0μg(マイクログラム) | 0.03mg | 0.02mg | 0.4mg | 0.04mg | 90μg(マイクログラム) | 0.33μg(マイクログラム) | 62mg |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄分 |
0mg | 170mg | 17mg | 13mg | 31mg | 0.3mg |
いちごの品種ごとに栄養の違いはある?
日本のいちごの品種は、約300種類以上あるといわれています。
厳密に言えば、いちごの品種ごとに栄養素は微妙に異なります。
なぜなら、品種ごとに糖や酸の種類、割合などが少しずつ異なり、味に違いがあるからです。
また、栽培方法や収穫時期の影響も受けるでしょう。
しかし、いちごの品種ごとに栄養素を調べても必要性や需要がないことから、品種ごとに栄養素を調べた人はおそらくいません。
したがって、いちごの品種ごとに栄養素が違うというデータがないのが現状です。
ただ、いちごに含まれる糖や酸の種類や割合の違いなどから、いちごの品種によって栄養素は若干異なるといえます。
一部の栄養素を多く含むいちごの品種3選
いちごの中でも、ある栄養価が他のいちごよりも多く含むことが分かっているものがあります。
以下では、他のいちごと比べて一部の栄養素を多く含む品種を3つご紹介します。
桃薫(とうくん)
桃薫は、熟してもほんのりとしたピンク色でかわいい白イチゴです。
見た目の白さだけでなく、おいしさにもこだわって開発されました。
白いため、いちごに多く含まれるポリフェノールの一種アントシアニンは少ないですが、総ポリフェノール含量は「さちのか」に次いで多いという報告があります。
いちごに含まれるポリフェノールは、ビタミンCと共に体内で強い抗酸化作用を発揮します。
老化や病気、肌トラブルの予防に効果があります。
さちのか
さちのかは、福岡県で生まれた品種です。
シーズンを通して甘みと酸味のバランスが安定しているのが特徴です。
さちのかは、他の品種に比べてビタミンCとアントシアニンというポリフェノールが豊富に含まれています。
おいCベリー
おいCベリーは、その名の通り市販されているいちごの中で最もビタミンCを多く含む品種です。
非常に高い抗酸化活性も有しています。
おいCベリーにはビタミンCが100gあたり87mg含まれており、これはビタミンCが比較的多いとされてきた「さちのか」の約1.3倍にあたります。
おいCベリーを7粒食べてしまえば、一日に必要とされるビタミンCが補えてしまう計算です。
栄養を落とさないいちごの洗い方・食べ方
いちごの栄養価はとても高いですが、食べ方によってはいちごの栄養を逃してしまうことがあります。
以下では、いちごの栄養を逃さない洗い方やおすすめの食べ方を紹介します。
栄養を逃がしてない?いちごの洗い方に注意!
いちごのヘタを切ってから洗っている人も多いのでないでしょうか?
いちごは、ヘタつけたまま洗いましょう。
なぜなら、洗う前にヘタを取ると、いちごの重要な栄養素であるビタミンCが流れ出してしまからです。
ヘタを取って洗うだけで、ビタミンCの半分ほどが流れ出てしまうという報告もあります。
さらに、ヘタを切った状態で洗うと、切られたヘタの部分から水分が入り込みます。
せっかくの甘くて美味しいいちごが、水っぽくなってしまう原因にもなるというわけです。
なので、いちごは食べる前にヘタがついた状態のまま洗いましょう。
栄養素を効率よく摂取できるおすすめの食べ方
いちごはもちろん生で食べても美味しいですが、他の食べ物と組み合わせることで、より一層栄養素を効率よく摂取することができます。
おすすめは、いちごのスムージーです。
材料は以下の通りです。
- 凍らせたいちご:100g
- 牛乳:200cc
- ヨーグルト:100g
- はちみつ:大さじ1
- きなこ:大さじ1
材料を全てミキサーに入れて混ぜるだけで完成です。
いちごのビタミンCによって乳製品のカルシウム吸収率が上がります。
さらに、ヨーグルトに含まれる乳酸菌といちごの食物繊維が、お腹の調子を整えてくれるというダブルの効果が期待できます。
きなこに含まれるイソフラボンも摂り入れることができ、栄養価がアップします。
成長期のお子さんや、女性にとって嬉しい効果がたくさんありますね。
いちごは食べ方を間違えると健康に悪いって本当?
いちごは、食べ方を間違えると健康に良くないというのは本当です。
いちごを食べる際には、食べ合わせに注意しましょう。
なぜなら、食べ合わせによっては消化器官に負担をかけたり、栄養素の吸収を阻害したりすることがあるからです。
例えば、バナナといちごは相性が良くないといわれています。
バナナがもつ酵素の働きを、いちごの酸が邪魔をするため、消化に必要以上に時間がかかります。
胃腸の負担が大きくなるので、避けたほうがいいでしょう。
また、カフェインには利尿作用があり、ビタミンCを体外に排出しやすくする効果があります。
ビタミンCの体内残存時間は、とても短いです。
できるだけ長く体内に残して吸収させたいという方は、コーヒーや紅茶と一緒にいちごを食べるのは避けましょう。
スーパーで買う時に使える!美味しいいちごの選び方
スーパーでいちごを買うなら、陳列されている中でもとくに新鮮ないちごを選びたいですよね。
いちごの鮮度は、ヘタの色や果肉の赤みなどで判断することができます。
美味しいいちごの見分け方は、以下の記事でご紹介しています。
この美味しいいちごの選び方は、スーパーだけでなくいちご狩りでも使える方法ですのでぜひ確認しておいてくださいね。
まとめ:いちごは栄養価が高く、健康にとてもいい!
いちごは、他の果物と比べてもビタミンCや葉酸などの栄養価が高く、健康効果を期待できる優秀な果物です。
女性に嬉しい美容効果も多いですね。
しかし、洗い方や食べ方によっては、いちごの栄養を失ってしまったり、胃腸に負担をかけてしまうこともあります。
この記事を参考に、いちごの栄養を余すことなく味わって健康に過ごしてくださいね。